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AIやICTの活用も視野に入れていくことが必要かもしれません。

マンスリーコラム「経営に一言」2018.12.03

 師走の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 早いもので今年も年の瀬が近づいてまいりました。今年は6年に一度の同時改定で、医療・介護系サービスを展開している法人は通年より一層慌ただしく感じた方も多いのではと思います。年末年始も勤務を余儀なくされている方もいらっしゃるかもしれませんが、少しでも束の間の休日を満喫されることを祈念いたします。

 さて、近年介護業界の人材不足が取り上げられがちですが、介護分野に限らずどの業界でも人材不足の課題は深刻化しています。そこで、政府は外国人労働者の受け入れ見込み人数を初めて正式公表しました。現時点で対象14業種中、現在の約58万人の不足に対し、5年後には約145万人の受け入れを拡大すると想定しています。

 各業種別の受け入れ見込み人数を確認したところ、最も確保数が高かったのはやはり介護分野でした。政府が人材確保に注力したい意向は窺えますが、実態として地域によっては外国人を採用したくても、行政の対応が追い付かずに受け入れ自体が難しい地域もあるのが現状です。

 このような状況下で人材不足解消の一躍を担うのがAIやICT活用だと考えます。先日厚労省と経済産業省が合同で、医療・介護現場への人工知能や情報通信技術の導入促進を検討する有識者会議を年内に新設との報道がありました。医療では画像診断や遠隔診療、介護ではセンサーによる見守りなどへの活用を目指し、人材不足の解消と先端技術の振興を狙いとしています。政府推計によると、高齢者数がピークとなる2040年度に必要な医療・介護人材は、今年度の従事者数よりも242万人多い1065万人で、AIやICTの活用により、医療・介護の生産性が5%向上することで、必要な人材は約53万人減少させることができる試算のようです。

 また、ある企業はケアプラン作成を支援するAIを開発し、サービス開始を発表していました。これまでケアマネ個々の経験により作成されたケアプランをデータ解析し、AIによるケアプラン作成によって精度が上がることで、ケアマネの業務負担軽減やマネジメントの高度化を目指しています。操作体験会も実施しており、実際に活用したケアマネからは、AIの活用により提案の幅が広がったとの意見も出ているようです。試験的に体験し、AI活用も可能なことが実感できれば、AIによるケアプラン作成の普及率も高まるかもしれません。

 最後に、本年も皆様のご愛顧に心より感謝申し上げます。ご多忙の折ではございますが、お身体にお気を付けて良き新年をお迎えください。来年もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

訪問・通所介護利用時の保険外サービスの事例について

マンスリーコラム「経営に一言」2018.11.01

 紅葉の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 早いもので今年もインフルエンザの流行時期に突入しました。医療機関や介護施設では当たり前かと思いますが、予防接種は全職員受けていらっしゃいますか。感染防止対策はもちろんのこと、職員が感染源となるのは決してあってはならないことです。予防接種も然りですが、日頃からの手洗い・うがいを習慣化して頂きますようお願いいたします。法人によっては、職員に携帯用の消毒液を配布し、感染防止対策を徹底しています。意識的に取り組み、感染防止に努めてください。
 さて早速で恐れ入りますが、先日厚労省は自治体に向けて介護保険の訪問介護や通所介護時に利用できる保険外サービスの事例を通知しました。内容は下記のような事例を挙げています。
 訪問介護:保険適用のサービス利用前後あるいは提供の合間に、ペットのお世話や庭の草むしりなど保険適用外サービスが利用可能。外出支援についても、院内介助や自宅への帰り道に利用者の趣味等で立ち寄りでの介助などが認められる。
 通所介護:外出の付き添いや買い物の代行等。
 これらのサービスを提供する場合は、介護保険対象外であり、料金は全額利用者負担となる旨、利用者に文書を通して丁寧に説明した上で、同意を得ることが条件となっています。つまり、今まで介護報酬の算定対象外だったサービスの利用や介護保険サービスの利用前後及び利用中にも利用可能になったということです。これまでは保険外サービスの提供について明確なルールがなく、自治体によって認めるサービスに差がありました。しかし、明確になった分、介護事業者は保険外サービスも提供しやすくなり、利用者の選択肢も広がります。
 混合介護により、介護サービスを提供する側・受ける側双方にメリットがあります。まず提供側にとっては、介護保険適用外サービスを提供することで介護事業者が介護報酬以外の形で収入を得ることが可能となります。受ける側としては、混合介護によって広範囲のサービスを受けられるようになり、介護者の介護負担軽減にもつながります。但し、メリットがある分、当然ながらデメリットも生じてしまいます。混合介護における介護保険適用外サービスは全額自己負担となるので、利用者の費用面における負担が大きくなります。料金によっては受ける側を限定することにもなりかねません。その点も加味しつつ、混合介護をうまく組み合わせた活用が求められると考えます。
 末筆ではございますが、寒さが日に増しております。体調を崩されませぬよう時節柄どうぞご自愛くださいませ。

国が考える介護職員確保に関する施策とは

マンスリーコラム「経営に一言」2018.10.01

 仲秋の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 まずは先日の台風21号で被害に遭われた地域の皆様、そして北海道胆振東部地震で被災された皆様に心よりお悔やみ申し上げます。災害が頻回していることで、日々当たり前に稼働しているライフラインが災害時には活用できて当たり前との状況ではなくなります。災害が発生する度に申し上げておりますが、“当地区は今まで大きな自然災害が起きていない地域だから大丈夫”と、どこかで他人事のように感じている事態ではなくなってきています。不足の事態に備えた対策は急務だと考えます。未だ対策が不十分なところがあれば、早急に対策の見直しをお願いします。
 さて、早速ではございますが、先日厚労省が公表した来年度予算案の概算要求に、介護サービスを支える人材確保に向けた施策が盛り込まれていました。来年度予算は、労働力人口の減少を背景とした働き方改革に関連し、介護・障害・保育の生産性向上を図ることを主軸としています。
 今回新たに検討しているのは、介護職員の能力に応じ、役割分担を進める機能分化を推奨していくモデル事業の展開です。要求額は5.9億円とし、介護助手の活用や多職種連携の強化、事業所間の協力といった案を実際に試していくとのことです。介護職員といっても、資格によって業務内容や求められる技量が異なります。具体的に無資格者から訪問介護員、介護福祉士など、専門性に応じた適材適所の配置を図り、より効率的に活用していくことが目的です。
 具体案の一つとして、ある都道府県ではすでに介護助手の活用に注力しています。元気高齢者を積極的に採用する取り組みを進め、部屋の掃除や食事の片付け、ベッドメイク、シーツ交換などを担って頂きます。技量により担当を明確にすることで、他職種が各々の本来の業務に専念できます。それだけでなく、介護サービスとしての質が向上し、職員の負担軽減にもつながると考えられます。
 また、介護職員の業務負担軽減の一環で、介護ロボット開発事業では、提案から開発までを牽引するプロジェクトコーディネーターを配置し、着想の段階から介護現場のニーズを反映させています。厚労省は開発・普及の加速化を図っており、来年度予算案の概算要求では、今年度に引き続き介護職のイメージアップを狙う事業展開の方針も示されています。介護の魅力をより多くの方に広め、先進的な介護を周知させるための体験型イベントの開催なども想定しています。介護人材確保に係る国の今後の動向にも注目して貴法人に活かして頂くことを祈念いたします。
 猛暑だった今夏も終わり、朝晩は随分と過ごしやすくなりました。時節柄どうぞご自愛くださいませ。

来年度より毎年5日間の有給取得が義務化されます

マンスリーコラム「経営に一言」2018.09.01

 新涼の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 早いもので、株式会社M&Cパートナーコンサルティングを設立し、1年が経ちました。設立当初は至らない点も多く、顧問先の方々には不安を感じさせてしまうところもあったかと思います。今後は皆様にとってより良きパートナーとなるよう精進して参ります。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 さて、早速ではございますが、最近働き方改革に伴い、“働きやすい環境”というワードをよく目にします。働きやすいと言っても、様々な種類があると思いますが、皆様にとっての働きやすさとは何でしょうか。
 一つに、労働条件が挙げられます。先日の参院本会議にて、働き方改革を推進するための法律案が可決、成立したことにより、来年度から毎年5日間の有給休暇取得が義務化されます。具体的には、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日間は毎年、時季を指定して与えなければなりません。つまり、5日間については会社が時季指定権を持つことになり、会社側は労働者から希望を聞いた上で、「○月□日に有給休暇を取得してください」というように、時季を指定しなければならなくなります。但し、1年に5日以上の有給休暇を自主的に取得している場合や計画的付与で5日以上付与される場合等に該当すれば、時季を指定して有給取得を与える必要はありません。
 このように細部にまで義務化された背景には、日本の有給休暇取得率が著しく低いことが影響しています。「世界30ヶ国 有給休暇・国際比較調査2017」で、日本の有給消化率は昨年度調査に続き、最下位との結果が公表されていました。なぜ日本人は有給取得しないのか。要因の一つとして、有給休暇を取得することに対し、罪悪感があると考える人が約6割以上に達しており、世界で最も高い割合を占めていました。悪いことをしているわけではないのに、有給取得が申請しにくい・有給休暇明けに出勤しにくいなど、快く有給取得を受け入れる企業や法人は潜在的に多くあると考えます。
 ただ、来年度より有給取得が義務化される以上、有給取得をしやすい環境は必然的となります。そこで、まずは労働者の有給取得状況を正確に把握しておくことが必要です。特に、職員数の少ない医療機関や介護事業所は一斉に有給取得された場合、業務が回らなくなるため、有休取得日が重ならないよう事前に日程調整を行ったり、他部署からカバーできるように他部署の状況も確認して調整を行うなどの対策も検討しなくてはなりません。今の時期からでも対策をご検討ください。
 暦上は秋となりましたが、まだまだ暑さが残ります。夏の疲れが残るこの時期、どうかお身体ご自愛ください。

災害対策を強化してください

マンスリーコラム「経営に一言」2018.08.02

 季夏の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 先月、西日本地方を中心に発生した集中豪雨により甚大な被害に遭われた地域の皆様、ご家族やご親戚の方々へ、心よりお悔やみ申し上げます。昨年、九州地方で発生した集中豪雨により、被害の大きかった地域の方々にとっては再び自然災害に苛まれ、心を痛めている方もいらっしゃるかと思います。被災された方々の生活が1日でも早く日常生活を取り戻すことができますよう、心より祈念いたします。
 今回の被害におきましても、数十年に一度の重大な災害が予測される場合に出される特別警報が九州~中部地方まで広範囲にかけて発令されていました。予期せぬ事態が起きやすい天候が発生しやすくなっている中、どの法人様も不測の事態の備えへの再確認を行って頂きたいと思います。どこかで他人事のような感覚でいても、近年の事象を踏まえますと、いつ・どこで・何が起きるか予測できなくなってきているように感じます。
 不測の事態に備えた動きとして、まず経営者が行うべきことは、非常事態の情報収集~情報発信と職員の安否確認です。そのためにも非常事態の情報共有の流れを示したフローチャートと、緊急連絡網(メーリングリスト)は常に更新するように心がけて下さい。災害時に業者や職員の住所・電話番号が変更されて状況が分からない、連絡が取れない、などといった事態に陥ることがないようお願いいたします。3ヵ月おきに更新を行う、もしくは、毎年職員の連絡先の提出を行うなどと決めておくのも一つの方法ですが、職員の入退職があった際に更新することが理想です。期間を設けている間に何が起こるか分からない状況ですから、こまめに更新することをお勧めします。また、災害発生時、誰が情報発信するのか、担当者も決めておいて下さい。緊急時は頭が混乱状態となっており、普段判断できることでもできない状況に陥りがちです。冷静な判断ができる時にこそ、準備体制を万全にして頂きたいと思います。
 他には施設内の整理整頓も大事なことです。日頃から整理整頓を意識し、災害あった場合に損壊しやすい環境とならないように心がけることも重要です。何が起きるか分からない状況の中、法人内で取り残されるといった場合も想定しておきます。そのような事態に備え、常備食の準備やインフラを整備しておくことが賢明であると考えます。
 末筆となりましたが、まだまだ残暑厳しき折、どうぞお身体ご自愛ください。

医療業界でも広告規制が厳格化されました

マンスリーコラム「経営に一言」2018.07.01

 盛夏の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 早速ではございますが、今回は広告規制の見直しについてお伝えします。従来、医療業界における広告は医療法に基づき制限されてきましたが、先月よりホームページ上でも医療機関の広告規制が厳格化されました。
 詳しく申し上げますと、今までホームページでの広告規制はルールが明確ではありませんでした。しかし、インターネット上でのトラブルを回避すべく、医療機関のウェブサイトでも他の広告媒体と同様に規制の対象となります。違反した場合は都道府県による行政指導や立ち入り禁止が行なわれるとのこと。違反となる表現は薬機法(旧薬事法)違反・虚偽広告・著しい誇大です。回復や治癒をイメージするような写真やイラストの取り扱いにも注意が必要です。今一度、自法人のホームページを確認し、違反となる表現等がないか見直しをお願いします。
 規制がある以上、広告を活用するのは難しいと感じる方も多いかもしれませんが、ホームページは自法人をアピールできる重要なツールです。ホームページへの掲載内容は自院の特徴によって分かれると思います。例えば、専門病院であればどのような治療方針なのか詳細を掲載する、内科系クリニックだと来院患者は近隣住民が大多数を占めるでしょうから、まずはどのようなクリニックなのか雰囲気や医師の顔写真を掲載するなど、少しでも院内の雰囲気が伝わるような工夫が必要です。ポイントは、どこにターゲットを絞りアピールすべきかだと思います。
 医療機関のホームページは不特定多数に向けて発信するのではなく、ある程度確認するターゲットが絞られると推察します。それは主に自院への来院を検討している方やその家族、もしくは転職を検討している方が考えられます。重要となるのは、自院が発信したい情報だけでなく、確認する相手にとってどのような情報が求められているかを考えることです。自己アピールばかりしても相手が必要としている情報が発信されてなければ意味がありません。相手の視点に立ち、情報発信することを忘れないようにして下さい。
 また、ホームページの確認はパソコンだけでなく、スマホで手軽に検索する方が大半を占めるでしょう。そこで、自院のホームページがスマホ対応となっているかも確認して下さい。更新が頻回ではない法人はおそらくスマホ対応ではないところもあるかと思います。早急に見直しをお願いします。
 人員不足や日頃の業務が多忙となっていることから、自院のホームページの更新を怠っている医療機関も見受けられますが、広告や広報こそ未来の患者や求職者確保の一手となります。ホームページは自ら発信して自院の特徴や良さをアピールできる貴重な場です。更新が滞ってしまうのなら、各部署持ち回りで対応することも検討して下さい。
 末筆となりましたが、梅雨明けの折、どうぞお身体ご自愛ください。

認知症に関する話題について

マンスリーコラム「経営に一言」2018.06.01

 薄暑の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 早速ではございますが、先日ニュースで神戸大学が認知症予防事業に着手すると報道していました。詳細は神戸市や兵庫県内の医療・健康関連企業などと連携し、運動と脳の活性化を図る課題を組み合わせたプログラムを実施。認知症研究も進め、効果的な予防法の開発にも取り組むとの内容でした。現段階では認知症治療に効果的な薬は見つかっていませんが、運動や睡眠、食事、脳のトレーニングなどが予防に効果があるとして注目され、神戸市では長期的な実践研究に取り組むようです。この報道を受け、認知症に関する注目度が高まっていることを実感しました。
 他にも、日本記念日協会では今年度より6月14日を「認知症予防の日」として認定しました。これを記念し、各地で記念イベントや記念式典が開催される予定です。認知症に関する記念日が認定された背景には、認知症に対する取り組みを周知させたい意向が窺えます。
 厚生労働省が公表した「認知症施策推進総合戦略 新オレンジプラン」では、2025年には推計700万人が認知症と診断されることが予測されています。つまり、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症となる計算です。加えて、認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と診断されたケースも含めると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。
 認知症への対応策として、ある地域では、徘徊対策ツールを検討しています。本人の身元が分かるようにシールやキーホルダーなどの見守りツールを作成し、認知症対象者の衣服等にシールを貼付しておくことで、行方不明となった場合の早期発見や身元不明対策につながります。
 診療・介護報酬改定上でも認知症への対応の強化が図られていることは言うまでもありません。診療報酬では前回の改定より認知症ケア加算が新設されましたが、今改定でも認知症サポート医とかかりつけ医の連携による認知症の療養指導への評価が新設されました。認知症を有しても地域で生活の継続ができるようにとの国の方針の表れです。記念日の認定はあくまでも周知させる取り組みの一環かもしれませんが、自法人内でのイベント等で活かす方法を考えることも必要ではないでしょうか。認知症高齢者への対応は多職種で関わるだけでなく、地域での支えが求められる日も遠くないように思います。
 末筆ではございますが、梅雨冷えの肌寒い日も続いております。どうかお健やかにお過ごしください。

時代の流れとともにコミュニケーションの取り方も変わってきました

マンスリーコラム「経営に一言」2018.05.01

 青葉の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 新年度が始まり、診療・介護報酬改定から早1ヵ月が経過しました。今回は同時改定ということもあり、届出変更や施設基準の見直しなどで、例年以上に医療・介護施設はご多忙を極めた1ヵ月だったかと思います。
 加えて、4月に新入職員を迎え新体制の元、新たなスタートを切ったところもあるでしょう。新卒職員は、まだ右も左も分からない状態で右往左往している姿が目に浮かびます。経験は年数を経ることで自ずと積まれていくものですが、新卒は人生で一度きりの経験です。その経験を自法人で積んでくれることに感謝し、将来を担う可能性を秘めている若手をどうか大切に育ててください。
 今月はゴールデンウイークもありますが、この時期課題となってくるのは、職員の定着です。連休明けは仕事に対する意欲や気持ちがいつも以上に緩みがちとなってしまいます。よって、注意力が散漫となり、ミスが起きやすくなる可能性も高くなります。気を引き締めるために厳しい口調になってしまうこともあるかもしれませんが、意欲が低下しているところに加え、注意されるような出来事が重なってしまった場合、離職への引き金となる懸念もあります。そこで注意して頂きたい点が「伝え方」です。注意される本人に非があったとしても、伝え方には注意が必要です。社会人として成長して欲しいために必要なことを助言・指導しても、捉え方によってはパワハラとの認識に変わってしまう恐れがあります。
 昔は職場で注意し、部下が精神的に落ち込んでいる姿を見た時、飲みに誘ってフォローしていた方もいらっしゃると思います。コミュニケーションを図るために、“飲みニケーション”と称した飲み会を開催し、職場以外で交流することで関係性を深める企業も多くありました。しかし、時代の風潮や流れとともに考え方も変わり、飲み会を開催したところでコミュニケーション力が高まるわけではないとの意見も出てきました。“飲みニケーション”=死語だと捉えている人も少なくないようです。従って、段々と昔よりコミュニケーションを取ること自体が難しくなってきているように感じます。そのため、日頃からの接し方がより重要となってきます。
 伝え方一つで相手の受け取り方は大きく変わります。自分にとっては何気ない一言が、相手にとって傷つける一言となりかねませんので、言動には十分注意しながら指導することが求められます。時代の移り変わりとともに、教育方法も見直しが必要です。一人でも多くの新卒者が長く自法人で勤務できるような環境作りを意識して下さい。
 末筆ではございますが、向暑の折、どうぞお健やかにお過ごしください。

改定後の方向性について、法人内で話し合ってください

マンスリーコラム「経営に一言」2018.04.02

 春風の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 先日、弊社が主催いたしました診療・介護報酬同時改定セミナーには、多数の皆様、そして遠方からもご参加いただきましたこと、誠にありがとうございました。新会社設立後、初めての主催セミナーであり、また6年ぶりの同時改定でもありますので、少々不安を抱えながら当日を迎えましたが、お陰様で2日間で延370名の方々にご参加頂き、今回の同時改定の注目度を改めて実感しました。日頃、なかなか顧問先の職員の方々にお目にかかる機会は少ないため、非常に良い機会となりました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 慌ただしい年度末に加え、今年は同時改定ということもあり、あっという間に4月を迎えた方も多いのではないでしょうか。新年度が始まる時は気持ちも新たに、また一年頑張ろうと思える良い時期です。改定の情報が出揃い、ホッと一息つきたいところですが、皆様にとっては今からが本番なのです。
 今改定の各種サービスの中で、新設された加算がいくつもあったかと思います。例えば、介護報酬改定では新たに生活機能向上連携加算が設定されました。これは通所介護や認知症GH等で新設された加算ですが、設定されたことが何を意味しているか。以前より申し上げておりますように、国は自立支援・重度化防止の推進を改定の主軸としました。生活機能向上連携加算の新設には、はっきりと自立支援・重度化防止に資する介護を推進するために創設すると明記されております。従って、新たに設定された加算には積極的に取り組むことで、自ずと国が示す方向性へと向かっていけるはずです。
 ただ、気を付けて頂きたい点がございます。それは、全て報酬通りに沿った取り組みでいいのか?ということです。確かに新しい加算に取り組むことで、報酬は得られるかもしれませんが、それが自法人の地域に求められる内容なのか確認は必要です。国が求める内容ももちろん重要であり、改定に沿った内容に取り組んでいなければ、今後の経営に大きく左右します。しかし、皆様それぞれ地域で求められる役割は違います。改定の内容を踏まえ、それぞれの法人で今後どのような方向性へ向かうのか。まずは法人内での方向性を固めた上で、各種加算の取り組みを行うことが望ましいと考えます。
 末筆ではございますが、春爛漫の折、どうぞお健やかにお過ごしください。

診療報酬における改定ポイント

マンスリーコラム「経営に一言」2018.03.01

 春暖の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、早速ではございますが、前回介護報酬についての着目すべきポイントをお伝えしましたので、今回は診療報酬について述べさせて頂きます。先月8日に診療報酬改定が答申されました。2025年までに地域包括ケアシステムを確立させるためにも、国は今回の改定で病棟及び外来における機能別の役割を固める意向です。そして、2024年の同時改定で微調整を行い、地域包括ケアシステムを完結させる方針です。そのためにも、今回の改定で示されたメッセージは非常に重要なものを示しています。
 今回はメリハリ改定と言われていますが、重要視している点は、以前から伝えられている 「医療・介護における多職種連携」に加えて「働き方改革」と言えます。
 例えとして、退院支援に係る内容を挙げて考えてみます。2025年に向けて、今回入院~退院に係る評価を見直し、退院支援加算⇒入退院支援加算へ名称が変更となりました。そして、新たに入院時支援加算を設定しました。今までは退院後、在宅復帰させることへの評価に重点を置いていたものを、入院前から情報を把握し、入院早期より退院に向けての支援をすすめられるようにすることで、在院日数の短縮及び確実に在宅復帰できるような仕組みを設定しました。
 また、今回の改定からオンライン診療の開始に伴い、オンライン診療料を新設しました。これは新たに専用機器を導入しなくても、自身の携帯電話等で通信することで、遠隔診療での対応が可能となります。例えば、今まで月に2回訪問診療を行っていたことが、月1回訪問診療+オンライン診療での組み合わせでも認められるということです。オンライン対応にすることで、訪問のための移動時間の削減につながり、その分他の業務に時間を充てることができます。まさに働き方改革を推奨する良い例えだと思います。
 今回、セラピスト等の専従要件が大きく緩和されたのもその一つです。一つの業務に縛られるのではなく、他業務を兼務することが許された理由の中には、人材不足が背景にあります。そこで求められることは“柔軟性”です。専門職は自分の仕事を限定して考える傾向が高いように思いますが、時代の流れとともに、柔軟に対応することが求められています。その流れに逆らうようでは生き残れないといっても過言ではありません。必然的に一人が何役もこなすような仕事の在り方が求められてきていると推察します。
 改定の度にやっと定着してきたものを再度組み立て直すことは大変です。まずはどのような内容となったのか理解した上で、職員全員で共通認識を持ち、取り組むことが必要だと思います。
 末筆ながら、年度末の多忙の気忙しい折とは存じますが、皆さまのますますのご多幸をお祈り申し上げます。

介護報酬における改定ポイント

マンスリーコラム「経営に一言」2018.02.02

 立春の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 いよいよ改定が迫ってまいりました。徐々に明らかとなる情報に皆さま一喜一憂されていることと存じます。
 今回の改定は診療報酬本体+0.55%(全体では▲1.19%)・介護報酬本体+0.54%と、報酬自体はプラス改定となっておりますが、改定後の結果がその施設の取り組みによって異なることとなります。詳細については、各々情報収集されていることと存じますが、今回は介護報酬について何に着目すべきか対策を述べたいと思います。
 今回の介護報酬改定の大きなポイントは、「重度化予防・自立支援への促し」です。この背景として、少子高齢化に伴う労働人口の減少により、働き手不足が顕著となっている問題は皆さまご承知だと思います。募集をしても、応募がこないという悲鳴の声は多くの法人でよく耳にします。特に介護業界だと、報道でも人材不足が度々取り上げられていることから、余計顕著に表れているような気がします。解決策として、IoT、AIなどのIT活用を強化する意向を示していますが、まだ業界自体IT化が進んでおらず、費用負担の面からもITを活用する法人はまだまだ少ないと言えます。そこで、国は制度自体を見直し、極力介護への負担がかからないような仕組みへ変えようとしています。
 その中の一つが、訪問介護の生活援助中心型のケアプランの見直しです。国は今までの100%してあげる介護(生活援助)は評価しないと明確に示しています。できる動作は一緒に行うという場合は、身体介護の見守り的援助として算定できますが、生活援助中心型の多い事業所は取り組み内容を見直さなければ、必然的に減収となります。してもらうことが当たり前だと感じていた利用者の意識を変えることは難しいかもしれません。しかし、徐々にでも取り組んで頂き、利用者・職員ともに意識を変えていくことが必要だと思います。
 今回の改定の中で、国が示している考え方の一つに、“タスクシェア・タスクシフト”というワードがあります。これは、例えば今までは専門職が行なっていた業務を見直し、本当に専門職でなければならないのか?など、改定時は点数や今までの取り組み内容を自ずと整理するきっかけでもあるといえます。年度末の大掃除だと捉え、本当にすべき業務は何なのか、今ひとつ法人内に置き換えて、業務整理をお願いします。
 また、加算や単位数の見直しにより、国が何を求めているかということも考えて頂きたいと思います。どのような意図で評価・見直しを行っているのか、ポイントを見極め、評価されたポイントについては強化していくことが、今後の経営に活かせる一躍を担うと考えます。実際の点数や単位数が公表されてから取り組みを考えるようでは遅いです。国がどのような意向を示しているかを早急にキャッチし、法人内で情報共有しあい、対策を立てることが、改定への先手必勝だと思います。
 末筆ではございますが、皆さまのますますのご多幸をお祈り申し上げております。

新年のご挨拶&改定に対する強化ポイントが示されました

マンスリーコラム「経営に一言」2018.01.09

 新春を寿ぎ、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。旧年中は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
 さて、新年を迎え、新たな気持ちでこの1年をどう過ごすか目標を立てた方もいらっしゃるかと思います。医療・介護業界におきましては、ダブル改定というビッグイベントを控え、今年は改定に関するニュースに敏感となってしまいます。そこで、今月からは改定に関する情報を中心にお伝えしていこうと思います。
 今回の改定は、団塊の世代が全て75歳以上の高齢者となる 2025 年に向けた道筋を示す最後の同時改定となります。地域包括ケアシステムを構築するためにも、医療と介護の役割分担と切れ目のない連携を着実に進めることが求められます。
 診療報酬改定では、地域包括ケアシステム構築のための強化ポイントとして、主に以下の内容が明示されています。
 ①医療機関間の連携、周術期口腔管理等の医科歯科連携、服用薬管理等の病診薬連携、栄養指導、介護連携など多職種連携の取り組みを推進。それに伴い、チーム医療を推進し、勤務環境を改善。
 ②かかりつけ医・歯科医・薬剤師・薬局の機能の評価。
 ③外来医療の機能分化、重症化予防の取り組みを推進。生活習慣病の増加等に対応できるよう、ICTの有効活用やかかりつけ医と専門医療機関等との連携を図る。医療の質を向上させるため、遠隔診療の適切な活用や、医療連携を含めたICT等の有効活用を進めるとともに、データを収集・活用し、実態やエビデンスに基づく評価を推進。
 ④増大する在宅医療ニーズに対応できるよう、効果的・効率的で質の高い訪問診療、訪問看護、歯科訪問診療及び訪問薬剤管理等を評価。
 ⑤国民の希望に応じた看取りの推進。「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」を重要視。
 ⑥質の高いリハビリテーションの評価をし、アウトカムに着目した評価を推進。
 介護報酬改定については、下記の内容が検討されています。
 ①通所リハビリ・通所介護の機能分化を明確にする。
 ②ケアマネ管理者の役割を明確にし、特定事業所集中減算など運営基準に関する見直す。
 ③通所リハビリにおけるリハビリ専門職の配置促進、短時間サービスを充実させ、退院後早期リハビリを促進。
 ④ICT化の活用を進める事業所に対し、報酬・人員配置基準を見直す。
 今改定は、高齢化に伴い、治すだけではなく“支える医療”が求められる中で、医療と介護の連携がより重要視された改定となります。現場では、どうしても医療・介護を切り離して考えてしまうこともあるかと思いますが、医療の先に介護があり、その逆も然りです。更なる連携強化が必要と分かれば、どの法人も連携先の確保を検討するはずです。点数等、具体的な骨子が公表となった後の取り組みでは、少々遅いかもしれません。もし、連携先が少なければ、改定対策の一環として、連携先の確保を強化することをお勧めします。
 末筆ではございますが、本年もより一層のご支援ご厚情を賜りますよう、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

“セルフネグレクト”を未然に防ぐために

マンスリーコラム「経営に一言」2017.12.01

 大雪の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 今年も早いもので残りひと月を残すばかりとなりました。何となく気忙しくなるこの時期、残された日数を見て、やり残したことはないかソワソワするのは私だけではないはずです。皆様におかれましては、来年度に行われるダブル改定に関する情報収集に追われていることと存じます。
 さて、皆様は“セルフネグレクト”というワードをご存知でしょうか。近年、高齢者の孤独死が増加傾向にあります。これは高齢化社会から高齢社会→超高齢社会へと変わり、多死社会と言われるようになったことが背景として浮かんできます。その中の一つとして、最近問題視されているのがセルフネグレクトです。
 セルフネグレクトとは、自身放棄。つまり自分自身の世話を放棄し、身の回りの整理整頓などができなくなることを意味します。ひどい状態の場合、ゴミ屋敷となる原因にもつながります。他には、生活環境や栄養状態が悪化しているのに、助けを求めない状態を指します。一人暮らしの高齢者はセルフネグレクトとともにうつ病やひきこもりを併発し、誰にも気づかれないまま衰弱し死亡に至る傾向が高いようです。普段から周囲との関わりがあれば、孤独死に至る可能性も免れると思いますが、ひきこもりとなった場合、症状の変化に気付くこともできま せん。
 セルフネグレクトに陥るきっかけとしては、主に身近な人の死や自身の体調不良などが原因と言われており、年齢関係なく誰でもセルフネグレクトとなる可能性があります。以前セルフネグレクトについて、内閣府が全国の市町村に調査した結果、約11,000人が該当と推計されていましたが、未回答の市町村が約4割だったことから、実際はさらに多くのセルフネグレクトが潜在している可能性が高いと言えます。セルフネグレクトを防止するために、ある地域では、市の呼びかけにより、新聞配達などの複数の業種で住民の見守りを行なっています。新聞配達を契約している家では、郵便ポストに新聞が溜まっており、数日部屋の灯りも消えていれば、様子がおかしいなどの変化にも気付くことができます。そこで市に調査を依頼し、セルフネグレクトへの防止に取り組んでいます。
 今後は、超高齢化時代も重なり、ひきこもりを含めた通院困難者が増加すると言われている中、ますます在宅医療のニーズは高くなることが推察できます。外来通院患者減少分の補填策として、訪問診療に注力することを検討してみてはいかがでしょうか。
 最後に、本年も皆様のご愛顧に心より感謝申し上げます。ご多忙の折ではございますが、お身体にお気を付けて良き新年をお迎えください。来年もご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

外国人だけでなく、元気高齢者の受け入れも検討してください!

マンスリーコラム「経営に一言」2017.11.01

 霜秋の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 さて、早速ではございますが、先月人材不足を解消すべく外国人の受け入れが進んでいることをお伝えしましたが、外国人だけでなく、今後は元気高齢者の受け入れも積極的に行っていくべきだと考えます。
 元気高齢者とは、地域で自分らしい生活を送り、さらに社会にも貢献している方を意味します。団塊世代が後期高齢者を迎える2025年を目前に控えた今、元気高齢者の受け入れは必然的になることが推察されます。なぜなら、先日の内閣府の有識者検討会にて、年金支給開始時期が70歳以降となる可能性を示しているからです。年金受給が遅くなるということは、生活する上で必然的に働かざるを得なくなるのは当然のこと。現行の年金支給は60~70歳の間で受給するか選択できますが、実際受給している方は少なく、多くの方は65歳から年金受給しています。つまり、今回の提言は年金の支給開始年齢を70歳以降も選択可能にするということです。これは平均寿命が伸び、超高齢社会へと突入している中、まだ働く意欲のある高齢者が増加していることが背景にある故だと感じます。先日内閣府が調査した統計によりますと、65~75歳までの方で、約42%が「働けるうちはいつまでも働きたい」と回答していました。統計から高齢期となっても就労意欲の高さがうかがえます。
 国の意向として、団塊世代が高齢期を迎えても、働く意欲や能力がある高齢者にはできる限り働いてもらいたいと考えています。しかし、現在の制度では、年金受給している方が就労や自営業を経営している場合、在職老齢年金制度が機能し、支給額が減額されてしまいます。働く意欲はあっても、減額となってしまうことがネックで就労していない高齢期の方も潜在的に多く存在していることが推測できます。この問題を解消し、高齢者の働く場を増やす事で、人材不足解消にもつながると思います。
 最後に、鮮やかな紅葉の季節が近づいてまいりましたが、寒さが日に増しております。体調を崩されませぬよう時節柄どうぞご自愛くださいませ。

外国人の受け入れが進んでいます

マンスリーコラム「経営に一言」2017.10.03

 爽秋の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。今夏も連日の猛暑でしたが、すっかり秋めいてまいりました。朝夜の寒暖差も激しくなり、肌寒い季節が到来しています。夏の疲れが取れず、お疲れモードの方もいらっしゃるかと思いますが、季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。体調管理にはより一層気をつけていただきたいと思います。
 さて、早速ではございますが、先日厚労省から11月より外国人技能実習制度に介護職種が追加されると公表されました。技能実習制度とは、技能習得を希望する外国人が、日本で先端技術を習得し、母国の発展に活かすことを目的とした研修制度です。介護現場での受け入れ期間は3年ですが、一定要件を満たすことで2年延長できます。しかし、実習生の受け入れには設立3年以上の事業所が要件であり、外国人の受け入れに際し、法人としては外国人来日後の一定期間の座学も義務付けられ、講習費用や住居の敷金返金等を負担することになり、実習生一人受け入れるために3年間で約200万円必要とも言われています。
 また、コミュニケーションを図るために、既存の職員に向けての外国人受入に向けた教育が不可欠です。外国人となれば人種の違いから、言葉の壁という大きな問題が立塞ぐ場合もあるようです。例えば、日本語特有の“~みたい”といった曖昧なニュアンスは海外では通じないケースもあります。日本人の特徴として、普段の会話の中でも、なんとなくニュアンスで伝え合うことで成立していることも少なからずあると思います。それが介護現場で通じるかどうかも懸念されます。うまく言葉を発することができない高齢者の意図を汲み取ることは、日本人同士でも容易ではありません。また、宗教や風習の違いによって、介護に対する考え方も違うため、法人としてのルールやマナーに関する研修も重要です。人員不足の中、このような内容に対してフォロー体制を整えることができるのか検討することも必要だと考えます。
 最後に、末筆ではございますが、時節柄どうぞご自愛くださいませ。

新会社移行のお知らせ&最新ICT活用情報

マンスリーコラム「経営に一言」2017.09.07

 新秋の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 この度、株式会社ヘルスケア経営研究所は更なる支援の強化を図るべく、株式会社M&Cパートナーコンサルティングを設立する運びとなりました。今までの業務は新会社へ移管し、これまで以上に皆様にとって良きパートナーとなるべく、日々精進して参りますので、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 さて、早速ではございますが、最近医療・介護分野におけるICT活用に纏わる議論内容を取り上げている記事をよく目にします。国は団塊世代が75歳を迎える2025年までにICTやAIを活用した医療・介護のパラダイムシフトを実現、確立させる意向です。そこで、2020年までにビッグデータやAIを活用した新しい医療・介護システムを本格的に稼働させる方針を示しており、今後の医療・介護業界ではICTやAIの活用は必然的となることが予測できます。
 しかしながら、現状ではICTを医療機関や介護施設が率先して導入しているとは言えず、介護業界の場合、現場で介護ロボットやICTが活用されていないことから、ケア業務の負担軽減につながらず身体的理由で離職が進んだり、取り組み内容に対するADL・IADLの改善度合いなどのデータ分析が進まず、アウトカムの実証や評価が十分ではないことが課題として挙がっています。要因は、ICTの利便性及び活用方法が掴めていないことから、活用に対して前向きではないことや金銭的な問題が考えられます。助成金が申請できても、全額賄えないため、金銭的な問題は仕方がない面もありますが、人材不足が深刻化している中、ICTを活用することでどのようなメリットが生まれるのか、先入観に囚われず、活用されている法人の見学やセミナーなどを通じて活用方法を探り、まず試してみることが重要だと思います。
 今後の取り組みとして、国はICT導入や負担軽減のアウトカムを実証することで、介護報酬等でインセンティブによる評価を検討することを示しています。また、ICTを活用することで、ネットワーク化が構築された場合、医療・介護情報が医師間で安全に共有でき、かかりつけ医と連携しながら切れ目ない診療やケアを受けることができるメリットが生まれます。一度、ICT活用について法人内で検討することをお勧めします。
 最後に、暦の上では秋を迎えておりますが、残暑が続き、夏の疲れが残るこの時期、どうかお健やかにお過ごし下さい。

「介護医療院」についての最新情報

マンスリーコラム「経営に一言」2017.08.03

 残暑の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。
 先日、九州地方で発生した集中豪雨により、甚大な被害に遭われた地域の皆様へ、心よりお悔やみ申し上げます。また、住み慣れた自宅が損壊し、避難所での生活を余儀なくされていること、心よりお見舞い申し上げます。被災された方々の生活が1日でも早く日常生活を取り戻すことができますよう、心より祈念いたします。
 さて、今回は「介護医療院」についての最新情報をお伝えいたします。介護医療院はご承知の通り、平成29年度末で廃止される介護療養病床と医療療養病床の一部の転換先との位置付けです。新施設に転換するための準備期間として「6年間」設定されました。概要は、日常的な医学管理が必要な重介護者の受け入れや、看取り・ターミナル等の機能と生活施設としての機能を兼ね備えた内容を想定しています。介護療養病床の受け皿として、医療機能をもつ「介護医療院」と医療機関に有料老人ホームを併設する「医療外付け型」を整備する方向性を示しています。
 介護医療院の施設要件等の詳細はまだ明確になっておりませんが、介護医療院は3つの区分があり、その人員体制は、Ⅰ-1は介護療養病床、Ⅰ-2は介護老人保健施設、Ⅱは特定施設と同様の医師や看護師を配置。面積基準は、介護療養型老人保健施設の設置時と同様に、既存建物転用の場合は大規模改修工事までは経過措置的に現面積基準で認める可能性が高いとのこと。利用者は介護老人保健施設でリハビリなどを実施しても在宅復帰することが難しく、長期療養が必要な要介護者等であると予測されています。
 厚労省が公表した情報によりますと、介護療養病床は経過措置期間が2023年度末とされていることから、中間年の2020年度時点は「調査で把握した数」、経過措置が終わる2023年度時点は「(介護療養病床の)全数に相当する数」をそれぞれの下限として転換の見込み量を設定するとの考えです。
 介護医療院は介護施設のベッド数となり、転換によって病院のベッド数が縮小することとなります。医療機関の外来及び在宅医療の単価は、200床未満になることで算定可能な項目が増え、単価が上がります。病棟だけではなく、病院全体として今後どこに力点を置くかも考えた上で、転換の検討が必要となります。
 末筆となりましたが、残暑厳しい季節、体調管理にご注意いただき、どうかお健やかにお過ごし下さい。

国が想定する病床機能の理想と現実

マンスリーコラム「経営に一言」2017.07.01

 向暑の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

 さて、早速で恐れ入りますが、先日、厚生労働省の地域医療構想に関するワーキンググループは、今年10月に実施する2017年度病床機能報告制度から構造設備・人員配置等に関する項目を追加・見直すと公表しました。具体的には、新たに医師・歯科医師数や現在稼働していない病床がある場合、その理由を併せて報告することが求められています。人員配置や未稼働となっている病床数を明確化することで、今後の地域医療構想を具現化する動きを示しています。

 2025年に向けて地域医療構想では、全国の入院病床数は2013年の約134万床から約11.6%減少するとの結果が表れていました。詳細については、2025年時点での必要病床数は全国で計119779床。一部の地域を除き、全国的に病床数を約135%削減する必要があるとの見込みです。削減させる目的は単に医療費高騰を抑制させるだけでなく、病床数を削減させた分、介護施設への転換や更なる在宅医療へ促すことも狙いの一つだと考えられます。また、地域医療構想の中には急性期・慢性期病棟を回復期病棟へ再編してもらいたいという考えが強くありましたが、今回の調査で、病床機能報告による病床種別数と国が想定している病床種別数では大きくギャップが生じていました。

 詳しく申しますと、国の意向としては、急性期病棟から回復期病棟や地域包括ケア病棟へ再編させ、回復期病棟等を増加させることを想定していましたが、今回の統計で想定していた数ほど回復期病棟等が増えていなかったことが判明しました。従って、次回改定では回復期病棟等への転換を促す要件が検討される可能性があります。

 そこで、次回改定に備え、課題が議論に上がる前に中央社会保険医療協議会等が公表する情報を常に確認することを心がけて頂きたいと思います。議論されている内容は、次回改定に織り込んでくる可能性が高いと推測しており、事前に改定に備える=いかに情報をキャッチできているかとも言えます。議論内容を自院に置き換えて考え、どのような改定内容となってもいいように、様々なパターンを想定しておくことが、次回改定に備えての現段階でできる備えだと考えます。

 末筆となりましたが、梅雨明けも近づき、夏本番を迎える頃、どうかお健やかにお過ごし下さい。

「職種別退院支援パス」とは?

マンスリーコラム「経営に一言」2017.06.01

 入梅の候、皆様におかれましては、ますます、ご清祥のこととお喜び申し上げます。

 ゴールデンウィークが終わり中だるみを感じる時期ではございますが、時間的余裕がある時期こそ、気持ちを引き締め、次の改定に備えていただきたいと存じます。忙しい時はなかなかできない、院内・外の連携について、深く掘り下げて考えてみることもおすすめです。

 言うまでもないことですが、「連携」が充実しているか否かによって、医業経営は大きく変わってきます。たとえば、「職種別退院支援パス」に取り組まれている医療機関は多いと思いますが、これは、連携体制が整っていなければ、運用できません。このパスは、入院から退院までの一連の流れで、関係職種がどのように関わり、情報交換を行い、スムーズに在宅や施設へ患者を回していくのか。いつまでに・何をすべきか、を一覧にするもの。いわば職種別退院支援役割担当一覧表とも言うべきものですが、名ばかりの「連携」体制では、役割が発揮できていないと存じます。連携については、国も重要視しています。2016年の診療報酬改定で新設された「退院支援加算1」を考えるとわかりやすいと思います。

 「退院支援加算1」は、「退院調整加算」をベースとしたものですが、「退院調整加算」と比較すると、算定可能病棟・種別が大幅に増えているのです。つまり、国は、積極的に退院支援(院内・外連携)に取り組む医療機関を評価するというメッセージです。

 このように、連携は、今や医業経営を行う上で欠かすことのできない重点項目ですが、自院に置き換えて考えていただくと、「院内でのチーム連携には自信がない」という場合もあるようです。院内連携は、チーム医療の始発点。ここがぐらついていて、地域連携がうまくいくでしょうか。ちなみに、チーム連携とは、担当や役割を明確にするだけではありません。それを管理者がきちんと確認、統括できているかどうかも重要です。そのためには、日ごろから、信頼関係に基づいた、コミュニケーションが不可欠です。些細なことでも相談できるような関係を意識し、相手とのコミュニケーションを図るようにしてください。個人の力だけではもはや組織は構築できない時代です。時間的余裕があるこの時期に、院内においてゆるぎない信頼関係をじっくりと構築し、充実した体制を持って、次回の改定に備えていただくことを祈念しております。

 末筆ではございますが、梅雨時期、肌寒い日もございます。どうかお健やかにお過ごしください。

熊本地震から1年を迎え・・・

マンスリーコラム「経営に一言」2017.05.01

若葉の候、皆様におかれましては、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

早いもので、熊本地震から1年が経ちました。この1年、何度となく起きている余震に不安を覚えながら、1年を迎えたことと思います。震災後、未だに仮設住宅での生活を余儀なくされている方や断水している地域の映像をニュースで拝見する度に、胸が締め付けられる想いでいっぱいです。

東日本大震災が起きた東日本地域でもまだ完全復興とは言えない状況が続く中、熊本地震の被災地でも復興には多くの時間を要することと思います。自然災害というものは、いつ発生するか予測がつかないものであり、発生後の大きさによって、損壊や精神的ダメージは計り知れないものがあります。そのような状態から少しずつ平穏な日常生活を取り戻してきており、時間の経過とともに、自然災害に対する意識が緩んできてしまう方も多いのではと感じます。

そこで改めて、いままで災害対策として備えてきたものを見直していただきたいと考えます。災害発生後、事前対策を立てておくべきだったと後悔しないためにも、きちんと対策を整えておくことは重要です。

先日の報道で、厚生労働省は災害時に24時間体制で傷病者を受け入れる「災害拠点病院」に対し、業務継続計画(BCP)策定を義務化すると公表しました。BCPとは被災した病院のダメージを最小限に抑え、早期に回復するために備える対応を定めたマニュアルであり、BCPを策定しておくことで、災害時の安否確認などが有効に活用できます。熊本地震発生により、BCPの整備が課題として浮上しています。ぜひこの機会に関係部署で話し合い、BCP策定を行っていただきたいと考えます。

職場によっては新年度より新たな職員を迎え入れたところもあるでしょう。これを機に、新入職員向けの研修時でも、災害対策についての意識を持っていただくよう働きかけて下さい。これまでの災害で学んだ教訓や災害対策の意識を忘れないためにも、年に一度は災害対策について考える時間を設けることをお勧めします。

風薫る新緑の頃、体調を崩しやすい時節でもあります。どうかお健やかにお過ごし下さい。

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